1. 一筆(土地の一つの区画のことを筆と呼ぶ。一筆ごとに地番が付けられている) の土地から次男が家の敷地として贈与を受ける部分を分ける |
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土地を分けるにはまず測量せねばなりません。そして測量に先立ち一筆の土地の範囲が
どこまでなのか、つまり境界を確定しなければなりません。 隣接する土地の所有者・管理者と境界立ち会いをし、境界を確認しないかぎり登記を進め ることができません。言換えれば隣接地の所有者と境界につき確認し合うことができれば この手続きは九割がた完了したと言っていいでしょう。 従来ゲマインシャフト(地縁・血縁社会)の時代-土地のつながりが人のつながりだった頃 と比べ、境界立ち会いも難しい場合があります。日頃面識も無い不在地主の、ましてやそ の土地が雑草伸び放題で近所から苦情も出るような場合なかなかスムーズにいくもので はありません。 かたや、こういうこともあります。都市部の場合、今まで面識もなければ 隣の土地が誰の土地かも知らないといった時、境界立会の場で初めてご対面となること もあります。 こんな時隣の土地の所有者がどこの人でどんな人柄か、などわかって安心 したと言われることもあります。 「地縁」という言葉をしみじみ感ずる瞬間です。 |
2. 分筆された土地(農地)を住宅の敷地として利用するために贈与を 受ける ことについての許可申請 |
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自分の財産をどうしようと自由な話ですが、農地法は食糧生産力の確保増進という国家的目標に 立ち農地をできる限り農地として保護し耕作者の地位も保護しようという目的で立法されていま す。そのため農地を農地以外のものにしようとすると許可や届けが必要となってくるわけです。 |
3. 住宅が建築されたら登記所(法務局)の登記簿に登録する |
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一般的に、金融機関からお金を借り家を建てる場合は必ず登記手続きがなされますが (もちろん手続き的には施工業者さんの方で一 括してやられるかもしれませんがその費用は払って いるはず)自己資金で作った場合登記は必要ないとお考えですか? 初めて登記簿に建物を登録する表示登記は法で義務づけられています。 建物を新築した場合 1ヶ月以内に表示登記をしなくては なりません。 今、小泉首相がカリスマ的支持率を得ていますが思い起こせば八年前の夏、この人気に近い首相が 登場しました。細川護煕首相です。 出る杭は打たれるとでも言うのか、細川首相が所有する軽井沢 にある別荘の表示登記がされてない、ということが問題になりました。 立法府の長たる首相が登記 義務のある表示登記を怠るという法律違反をおかすとは言語道断だ、と。 すぐ登記はなされたとの ことですが・・・。 罰則規定があるもののそれが適用された話は聞きませんが、そんなことより年を経て後で手続き しようなると書類を整えるのに労力も、経済的にも思わぬ負担がかかってくるのが通常です。 |
4. 住宅の敷地となった土地の農地から宅地への登記簿の登録変更 | |
1. の手続きで分筆された土地は登記簿上、依然畑(農地)のままです。 住宅が建ちその利用 が畑から宅地になったと確認された時点で登記申請します。 この登記も3. の建物表示登記と 同様変更後1ヶ月以内に申請しなければならない義務があります。 |
Aさんから贈与を受けた土地、そして新築した住宅について将来にわたりこの次男が
その権利をより完全なものとするには
1.土地については贈与を原因とする「所有権移転登記」をする
2.新築した住宅については初めて権利をつける「所有権保存登記」をする
という手続きがあります。そしてこれらは司法書士の業務となります。